原価をつかんでコストダウン(Ⅱ)

 前回紹介した『保証時報』に掲載した文章です。 当たり前のことばかりです。 でも、中小製造業には大切なポイントだと考えています。 多くの方に見ていただきたいので、ここにも掲載することにしました。

 

1.原価についての素朴な質問

 

 こんな質問をされたとき、読者の皆さんはどのように答えるでしょうか。 

 

「皆さんの会社の売上高の大きい製品を3つ挙げてください」

「その製品の売価はいくらですか?」

「その製品1個当たりの原価はいくらですか?」

「材料費、労務費、経費はいくらですか?」

「1個当たりの利益は十分な額ですか?」

「どのくらいコストダウンしたいですか?」

「コストダウンを実現するために、どのような切り口から改善に取り組みますか?」原価構成.png

 

 企業の改善支援をスタートするとき、また、原価管理やコストダウン手法のセミナーの冒頭で、いつも質問させていただいています。

 この唐突な問いに、きちんと答えられる管理者・監督者・リーダーは少ないです。日々の生産に追われ、数をつくることに身体も頭も神経も使い切り、「原価がいくらかかっているのか」ということを振り返る余裕もないというのが実態ではないでしょうか。 この問いに、現場のメンバーでも答えられるよう、「原価を見える化」することが、コストダウン成功のキーポイントです。

  

2.原価をつかむとわかること

 

 製品別の原価と売価がつかめると、製品ごとの損益が見えてきます。利益の大きい順に製品を並べ、利益と利益の累計をグラフ化してみます。

 極めて当たり前の曲線が現れてきます。儲かる製品の累計線は、当然、右上がりになり、その後、赤字製品を累計していくと、利益がどんどん減っていきます。右上の例では、ピークで5千万円の利益が出ているのに、赤字製品のため、最終的には3千万円の利益しか残らない勘定になります。

利益累積.png

 もうけが少ない会社、赤字の会社の多くはこのような状態になっています。利益を出している会社でも、想定以上に多くの赤字製品を抱えています。

 

 個々の製品の原価、損益の実態がつかめれば、つまり、上のグラフを描ければ、当然、経営者・管理者は動き出します。私の経験では、「原価をつかまえている会社は儲かっています」。

  

3.原価を誰が、どのようにつかむか

 

 製品1個ごとの実際製造原価の計算は、工場・部門で発生した全体の費用(原価)を製品1個に割り当てることです。材料・部品費、外注加工費など、その製品に直接ひも付けできるものは直接に集計し、労務費、光熱費、減価償却費などの経費は生産管理上のデータを用いて製品1個ごとに按分し、それらを合計して原価とします。作業の中身.png

 製造作業の中身は右のグラフのような要素で構成されており、経費の按分はこの構成を踏まえて行います。つまり、現場の管理、生産管理の基盤があってこそ、原価をつかむことが可能となります。逆に、原価をつかもうとすることが、作業の中身の理解を深め、間違いのない、効果的・効率的なコストダウン活動につながることになります。

 製造業において、原価をつかむこととコストダウンは一体不可分のものです。だからこそ、製造部門の管理者・監督者・リーダー層の皆さんが原価把握の主役です。ぜひとも最初の問い「1個当たりの原価はいくらですか?」にスッと答えてほしいです。

 

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