「もの造りの技能」(小池和男+中馬宏之+太田聰一) Goodjob!!!

img_1043.jpg ものづくり企業の現場力を高めるために重要な考え方、そのため具体的に取り組むためのヒントなど、たくさんの大切なことを教えてくれる本です。

 学者の理論・理屈から書かれた本ではありません。頭でっかちになる心配はありません。

 

 この本は、先ほど紹介した『リーディングス 日本企業システム 組織能力・知識・人材』に入っている、小池和男氏の論文「もの造りの技能 自動車生産職場」の出典元の本です。

 論文の方は、研究の内容の要点を20ページほどにまとめたものですが、右の本は、419ページというボリュームの中に、現場(自動車産業の主要職場、組立・プレス・車体溶接・プラスチック成形・塗装・鋳造・鍛造職場)の『技能』についての緻密な調査結果が、分かりやすい文章で具体的に書かれています。

 学者対象ではなく、ものづくりに関わる実務の人を対象に書かれているのでしょう、本当に読みやすい文章です。

 

 はしがき他から一部引用します。

「・・・これほど多様な職場をこれほど具体的に調べた仕事を寡聞にして知らない。30に近い職場へ、それぞれ数回ずつくりかえしたずね、じっくりとベテランの話をうかがった。・・・

 こうした調査の結果、そこに瞠目すべき高度で知的な技能の存在が明らかになった。くりかえし作業に終わるとみられる職場にも、すぐれて高度で知的な熟練がある。職場にはおどろくほどさまざまなトラブルや変化がおきている。くりかえし作業では他国と差はつかない。しかし、トラブルや変化をいかにこなすかによって効率は大きく異なる。そのトラブルや変化をこなす技能を、職場の実際に即して明らかにする。誠に、私たちは当初予想していたよりはるかにすばらしい、きわめて高度な技能を見出した。おどろくほど「論理的」で「科学的」という形容詞、まさに知的熟練というにふさわしい。・・・・」

「・・・いまや世界の最高賃金国のひとつになった日本にとって、行きぬく途は技能にかけるほかない。これまでの研究によれば、おなじ機械、おなじハードな設備でも生産性は国や職場によって大きく異なる。ときに数倍の差があり、先進国でも5割をこえる差がみられる。そのすべてではなくとも、その少なからずが技能の差による、と推量できる。・・・

 この研究の明らかな特色は、その肝要な技能の内容をきわめて具体的に解明した点にある。それゆえに、その技能がどのようなしくみで効率を高めるのか、それを説明したことにある。・・・この研究の特色はまさにそれを詳しく具体的に明らかにした点にある。・・・・」

 

 読んでみると、上に書かれた通りの、技能についての具体的で、緻密なドキュメントになっています。また、そこに書かれていることは、大企業だけでなく、中小の製造業の技能を高めるための取り組みに十二分に役立つものです。

 人材育成、技能アップに取り組もうとされている中小製造業経営者、それを支援する立場の方には一度目を通して欲しい本です。

※もう少し早くこの本に出会っていたらと、悔やまれる本です。

※表題に「Goodjob!!!」をつけたのは、「本当にいい仕事しているな!」と感動したからです。

 

 

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