2011年5月アーカイブ

                                                                                     宮大工の人育て (祥伝社新書 104)

 img_1041.JPG多くの中小製造業の現場で、「いい仕事」をしているのは、「職人」と呼ぶのがふさわしい方々です。

 「いい仕事」は、高い顧客価値を生みだす仕事ということもできます。 

 材料やものづくりのための機械・装置も大切ですが、職人の腕・技能がそのまま顧客価値の創造につながっている、そういったものづくりの現場がこの国の社会や産業を支えていることは確かだと思います。

 

 「いい仕事をする職人を、どのように育てていったらいいのか?」

 製造業に長い間勤めるなかで、私の中に形作られてきた人材育成・作業訓練の考え方、方法論は、「職人を育てる」ということに適用できない(適用しにくい)のではないか、もっと別の取り組み方があるのではないと、中小企業の支援を重ねるにしたがい、考えるようになりました。

 

 これから、このことについて、少しずつまとめてみたいと考えています。

 職人が自ら著した書籍等に書かれていることと、これまで私の経験したことを重ねて考えを整理していきたい。

 

 上の本は、菊地恭二さんという方が「人育て」について書かれた本です。

  「基本は『教えない』こと」というのがキャッチフレーズになっています。 ただ、「教える」という言葉の意味を「知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く」(デジタル大辞泉)と解釈した場合、菊地氏はとても巧みに「教えている」と見ました。

 今、私の探している答えのひとつがこの辺りにありそうです。

img_1039.png 先輩の中小企業診断士から、経営学を中心軸においた研究会に誘われました。

 兵庫県立大学の経営学の先生、MBAを修了した社会人、中小企業診断士、支援機関のスタッフを中心とした研究会です。

 先日、その研究会が開催され、これから私が取り組みたいことを説明しました。

 

 今、私なりの「持(自)論」をまとめたいと考えています。

製造系コンサルタントとして、

 「支援企業の顧客価値創造力を高めるためには、どのように支援したらよいのか?」

 「持(自)論を語る経営者・管理者になってもらうために、その方々とどのように共同化するか?」

といったことに答える『持(自)論』をまとめていきたい。

 

新緑につつまれた山々が近く、広々としたキャンパスの兵庫県立大学です。

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img_1038.png 金井壽宏先生他、神戸大学大学院経営研究科の方々が書かれた「リーダーシップの持(自)論的アプローチ」の冒頭の文章から引用します。

 

 「ただ鑑賞するように学び、頭で知識として知るだけですむことも世の中には存在する。しかし、実践につなげるためには、違う学び方がある。自分に引き寄せること、経験や観察と結びつけて、自分なりの考えをしっかりもつことが大切になるような学びがある。(中略)

 われわれは、自分が入門し技を磨きたいと思っている領域ではそのように学んでいるはずだ。うまくなるころには、一家言、自分なりの持(自)論のようなものを持って、能書きを垂れるようになる。(中略)

 たとえば、自らサッカーをプレーしなくても、ルール、各チームの特徴、作戦、フォーメーション等々を知ることで、見ることが以前よりも楽しめる。自らギターを弾かなくても、楽器やアンプの種類と音色の特徴、スケール、いくつかの代表的奏法などをかじると、演奏を聞くのが以前よりも熱心になれる。(中略)

 球技にもセオリーがあれば、奏法にもセオリーがある。それらは、役にたたないむなしいセオリーではなく、実際のプレーに役立つから、セオリーとして生き残っているのだ。そういう実践家が実際によりいいパフォーマンスを導くために現場で使っているセオリーのことを、持(自)論という。自分の考えを表明しているセオリーという意味では、普遍的なセオリーというより、マイ・パーソナル・セオリー、セルフ・セオリーという意味では、持論である。(中略)

 セオリーが実践とつながるとき、実践からセオリーが生まれるとき、われわれは、鑑賞するために学んでいる段階を超えて、よりよい実践を自ら行えるように学習しているといえる。こういうときのセオリーを、学者が検証することを目的に科学者としての手順にそって構築される理論、つまり公式理論(formal theory)と区別して、実践的理論(practical theory)とも呼ぶが、本論文では、すぐれた実践家が持っている自分なりの持(自)論という意味で、「持(自)論」(practical self theory-in-use)と標記する。」

 

 少し前、この論文を読み、目の前がひらけた感じをもちました。目から鱗ではなく、視野が広がったということです。

 コンサルタントとして活動をはじめて約4年が経過し、次の段階をめざす時期にさしかかってきました。

 「自ら『持(自)論』『実践的理論』を見える形にしていくこと、そして、支援している企業の経営者が自信をもって『持(自)論』を語るようになることを目標に取り組もう!!!」  そんな「やる気」をこの論文の「1.じはじめに」の部分からいただきました。

 

 この論文の次の項、「2.経営学のなかの持(自)論アプローチの嚆矢」も経営学の初学者には役立つものと考えます。

  

今日、久しぶりにJR本竜野駅におり、揖保川近くまで歩きました。

「こんなにモダンな駅舎だったかな~」と気になりましたので、家に帰ってからWikiでチェックしました。

昨年10月に新駅舎が完成したとのこと。

Wikiには古い駅舎の写真も載っていました。「そうそう、こんなレトロな駅だったな~」

P1010346圧縮.jpg数年前に、お城につながるしっとりとした町並み歩き、なんともいえない懐かしいような、ほっこリした気分になったことを思い出しました。

今日は時間がなくて、揖保川を渡ることはできませんでしたが、次の機会には是非お醤油の匂いをかぎながら、ブラブラするつもりです。

ところで、今まで、散歩・散策に関わるブログ記事のカテゴリー分けを「姫路城と姫路」としていました。

龍野に来て、「播磨には他にもたくさんいい所がある」とあらためて再認識しましたので、「姫路城と姫路、そして播磨」という名前に改訂しました。

用事があり、龍野商工会議所を訪問しました。

商工会議所の周りの空気はなかなかいい感じでした。

P1010347圧縮.jpg駅のポスターです。 すっきり、やさしい印象をうけました。いかがでしょうか。

「観光地づくり大賞」というのがあったのですね。 P1010344編集.jpg

 

 

P1010322圧縮.jpg5月18日、19日の2日間、ポリテク加古川でQC7つ道具(Q7)・新QC7つ道具(N7)のセミナーを開催しました。

 

ポリテクの在職者向け「生産管理」系コースを担当するのは今年で4年目になります。

ポリテク加古川でのセミナーははじめてです。

 

静かで、スッキリした本部建屋の2階の会場を使い、2日間じっくりと品質管理の手法について、受講者の皆さんと研究しました。

 

 

P1010317圧縮.jpgこのコースは受講者が大人数でないので、受講者ひとりひとりのニーズを踏まえ、またそれぞれの抱えている課題を意識しながら講義を行えます。

2日間が終わった後のアンケートもプラスの評価をいただいています。

 

来月は、Q7・N7のコースをポリテク兵庫(武庫之荘)で開催します。

若い方々のワイワイガヤガヤの研究を楽しみにしています。

 

今回、ポリテクセンター加古川のM係長に大変お世話になりました。お礼申しあげます。

 

 

 

img_1036.png「職人の腕」が顧客価値を決める仕事があります。

 

建築業界、一品受注の金属加工品製造、伝統工芸など、「職人」と呼ばれる方々が活躍している分野です。

この分野の企業経営者は、

「若い職人をどう確保するか」

「職人の技能をどう上げていくか」

「職人のやる気をどう引きだしていくか」

といったことに、日々心をつかっています。

 

こういった企業の経営改善を支援するとき、コンサルタントとしても、この「職人を育てる」という難しい問題を避けて通ることはできません。

 

「機械化が進んだ大手企業」と「職人技への依存度が高い中小企業」では、採用した社員のキャリアは異なりますし、入社時点でのモチベーションにも差があります。

また、社内教育手法やインストラクター養成講座なども、大手企業向けのものはたくさん揃っていますが、中小・零細製造企業の職人育成を対象とするものは見かけません。

かなり難しいテーマです。

 

この本は、本人自身が職人として腕を磨き、また経営者として職人を育てることに努力してきた(有)阿久津左官店 阿久津社長が書かれたものです。

職人育成について、具体的に、たいへん平易に、わかりやすく書かれています。また、職人の心の中を優しく解説してくれています。職人経験のない管理者・支援者を含め、職人力向上を願う中小製造業の方々に役立つ本だと思います。

三左衛門堀の桜、すっかり緑です。先週に比べ、緑が濃くなってきました。

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1ヶ月前の、ほぼ同じ場所の写真です。 毎年の桜の化粧直し。 SH360158.JPG     姫路駅近くの八重桜。今年は満開を見そこなってしまいました。

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でも、元気な葉と花のコンビネーションはホットさせてくれます。

SH360183.JPG 

 元気カンパニー仕事研究所では、機械金属加工業、電気機器ユニット組立業など「下請け」的な取引きが中心の中小製造業などを対象に、現場力の強化を基本に置き、保有技術の強化・新製品開発推進などの支援に取り組んでいます。

 こういった活動に取り組む中で、中小製造業(特に小規模な製造業)のための「経営戦略論」「新製品・新製品開発戦略」を構築しなければならないという気持ちが強くなっています。

 

img_1025②.jpg Harvard Business Review  (February 2007)に掲載されている戦略論(たとえば、ポーター先生の「競争戦略」、プラハッド先生・ハメル先生の「コア・コンピタンス経営」、ミンツバーグ先生の「戦略クラフティング」など)は、それぞれ大変に普遍性をもった「論」なのですが、中小製造業の現実を踏まえたとき、「そのままあてはめるのは難しいな」というのが正直な印象です。

 また、ブルー・オーシャン戦略も大変に興味深い「論」です。「競争のない市場空間を生み出して競争を無意味にする」という発想は重要だし、中小企業の目指したい方向です。しかし、B to Bビジネスの下請け的な中小製造業に適用するには、ブルー・オーシャン戦略では取り上げられていないいくつかの切り口をつけ加える必要がありそうです。

  こんなことを考えながら、碩学が著した書籍の中を彷徨する中で、いくつか"ハッ!"とするような気づきが生まれてきています。そんな気づきを与えてくれた本をご紹介していきます。

 

411M9TZMVSL._SS500_[1].jpg 今回は「B2Bマーケティング =顧客価値の向上に貢献する7つのプロセス=」です。"ハッ!"とした記載内容を列記します。

 ①B to B 産業の企業間のあり方は、たとえば工作機械や計測機器などに見られるが、「系列」に代表されるように、大企業が中心となって多くの中小企業との協力関係を構成するものであった。ここにはさまざまなメリットがある半面、真の競争関係が働いているとは言い難かった

 

②マーケティングの潮流として、顧客に焦点を絞ることが強調されてきているが、実際には、プロダクト・マネジャーという職務に代表されるように、依然として製品中心の考え方に重きが置かれている

・・・組織全体を通して顧客を知ることに徹しなければならない。・・・では、具体的にどうすればよいのか。それは、顧客の側に立った製品づくりを実現するためにイニシアティブをとって活動する、新しいプロセスのインテグレーター、すなわちカスタマー・マネジャーを配置することである。

 

③いまや、サービスは経営課題の一つである。よいサービスは顧客ロイヤルティに結実するからである。・・・アフター・サービスを強化することは、製品をリニューアルしなくても容易にできる。つまり、マーケティングにとって最も効果的なツールなのだ。

 

《監修者あとがき》から

 この本には以下のような点については実務的に述べられている。

◆特定少数の顧客をターゲットとした、B to Bマーケティングならではの特性と課題

◆顧客起点から見た体系的市場分析

◆製品イノベーションのための市場・顧客ニーズ分析の進め方

◆拡販に向けた、徹底して顧客分析

◆顧客囲い込みを志向したカスタマー・サービスのあり方など

 

 『全員参画のマーケティング』の活動に役立ちそうな考え方、手法なども丁寧に書かれています。

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